文字通り、東京の神社、10社を訪れたわけであるが、
実は、ルートを決めて、一気に回ったわけではない。
全部回るのに、おそらく、半年以上は、かかっている。
左は、その際に、なんとなく、300円のミニ絵馬を集めたものだ。
「東京十社」とは、明治初頭に、東京の主だった神社と認定された、
由緒も格式もある神社のラインナップであるらしい。
現在も名所であるもの、あるいは、地味になってしまったもの、
知名度・規模などでは、やや明暗が分かれているように感じる。
果たして、この「東京十社めぐり」とはなんだったのか?

勅祭社と准勅祭社とは?

「勅祭社」というものは、古からあるもので、祭礼に際して朝廷により勅使が遣わされる格式の神社のことらしい。
ラインナップに変遷はあったようだが、現在も「勅祭社」は存在し、 東京では、明治神宮と靖国神社が該当するようだ。
さらに、明治に入り、首都となった東京の守護として、同様に勅使の派遣される「准勅祭社」が制定されたのだそうだ。
このタイミングなのは、江戸時代までは、あくまで京都に朝廷があったからであろう。
しかし、早くも明治3年には、なぜか廃止され、一瞬しか存在しなかった制度となっている。
それでも、この「准勅祭社」というのが、今日の「東京十社」のルーツであるらしい。

社格とは?

この「社格」というのも古の昔から、あるもののようだが、
ここで言う「旧社格」とは、明治に制定され、昭和の終戦後まで運用された「近代社格制度」というもの。
別の制度ではあるが、「准勅祭社」にとっては、廃止後の新たなステータスとも言えるものでもあったと思われる。
とりあえず、こんな序列があったらしい。
官幣大社>国幣大社>官幣中社>国幣中社>官幣小社>国幣小社>別格官幣社>府社>郷社>村社>無格社
ただ、神社のステータスを表すものに関しては、時代による制度の差異や、おそらくは価値観の違いなども相まって、
単一の基準で推し量る事には無理がありそうだ。
よって、この「社格」のみで、神社自体の順位を決めることは難しいものと思われる。

東京十社めぐりとは?

「元准勅祭社」該当の神社各位が、 昭和50年に昭和天皇即位50年記念として企画されたのが「東京十社めぐり」で、
一応、"十社めぐりの日"なんてのもあり、10月10日なんだとか。
そのラインナップは、以下の10社となっている。



根津神社(根津権現)

根津神社は名前の通り、根津にある。
日本武尊が千駄木に創始したらしいのだが、まあ、それは、ほとんど伝説の類だろう。
太田道灌が社殿を奉納ともあるが、この太田道灌絡みというのは、東京では良くある話だ。
絵馬には、楼門・唐門・透塀・社殿が描かれているが、いずれも、五大将軍徳川綱吉の当時のものが現存していて、
国の需要文化財になっている。
江戸時代から現在に至るまで、ツツジの名所として知られている。

 
祭神素戔嗚尊など 創建2世紀頃? 例大祭9月21日 旧社格 府社
住所 文京区根津1-28-9 公式HP http://www.nedujinja.or.jp/


神田神社(神田明神)

神田明神の住所は外神田であるが、駅で言えば神田駅ではなく、御茶ノ水や秋葉原駅が近い。
神田、日本橋、秋葉原、丸の内などを氏子に持ち、初詣ではビジネスマンの行列する光景が風物詩となっている。
また、大手町にある「平将門の首塚」を管理する神社でもあり、将門関連スポットのひとつでもある。
なんといっても「天下祭」や、「江戸三大祭り」などと言われ将軍も上覧したという「神田祭り」で有名な場所だ。
絵馬には、トレードマークの隨神門と、その奥に社殿がある。赤い建物が、象徴的に描かれている。

 
祭神大己貴命・少彦名命・平将門 創建天平2年(730年) 例大祭5月15日 旧社格 府社
住所 千代田区外神田2-16-2 公式HP http://www.kandamyoujin.or.jp/


亀戸天神(東宰府 亀戸天満宮)

亀戸天神は、名前の通り亀戸にある。天神様なので学問の神様藤原道真を祀る神社だ。
江戸時代に、太宰府天満宮に対する東宰府天満宮として境内が造営されたのだという。
江戸時代から続く「藤」及び「梅」の名所で、特に「藤まつり」の季節には多くの見物客を集める神社だ。
絵馬には、太鼓橋、社殿、藤の花と、境内の華やかな雰囲気が描かれていている。

 
祭神天満大神(菅原道真) 創建寛文元年(1661年) 例大祭8月25日 旧社格 府社
住所 江東区亀戸3丁目6番1号 公式HP http://www.kameidotenjin.or.jp/


白山神社

白山神社は、名前の通り白山にあり、最寄り駅も白山だ。
創建は平安時代という古い歴史を持ち、徳川5代将軍 綱吉と深い縁があるという。
現在、普段はひっそりと地味な印象の神社であるが、東京の紫陽花の名所として知られている。
絵馬は、斜めアングルの社殿。他には、特に言いようがない。

 
祭神菊理姫命・伊弉諾命・伊弉冉命 創建天暦2年(948年) 例大祭9月21日 旧社格 郷社
住所 文京区白山5丁目31-26 公式HP 特になさそう。


王子神社(王子権現)

王子神社は、文字通り王子にある神社で、ルーツは、鎌倉時代より前に遡るという古社である。
記録残るのは元亨2年に領主の豊島氏による社殿の再興が初めであるという。
江戸時代には、将軍家の祈願所となったり、徳川吉宗の飛鳥山名所化計画に組み込まれたりもしたようであるが、
現在は、地味で、静かな神社という印象がある。
絵馬は、鳥居と社殿のシンプルな構図で描かれているが、実際に鳥居の前に立つと見える景色そのものだ。

 
祭神伊邪那岐命・伊邪那美命など 創建不明らしい 例大祭8月13日前の日曜 旧社格 郷社
住所 北区王子本町1-1-12 公式HP http://ojijinja.jp/index.html


芝大神宮(芝神明宮)

芝大神宮は、港区芝大門にある伊勢神宮系列の神社である。
特に江戸時代には、関東のお伊勢参りの拠点として参拝客を集めたという。
現在は、芝増上寺の参道付近に、こぢんまりと建っている印象で、往時の賑わいは感じられない。
日程が10日あまり続く「だらだら祭り」という秋祭りで知られている。
絵馬には神明造りの社殿が描かれている。

 
祭神天照皇大御神・豊受大御神 創建寛弘2年(1005年) 例大祭9月16日 旧社格 府社
住所 港区芝大門1-12-7 公式HP http://www.shibadaijingu.com/index.html



日枝神社(日吉山王大権現社)

日枝神社は、都心の真っ只中、永田町にある。
最寄り駅で言うと、溜池山王・赤坂・赤坂見附・国会議事堂前あたりか。
太田道灌が江戸城築城に際し、川越の日枝神社より勧進し、徳川家康が江戸城の鎮守に定めたという。
江戸時代、「神田祭」と共に天下祭と呼ばれた「山王祭」が有名で、現在も古色蒼然した神幸祭の行列は圧巻である。
絵馬には、鳥居・階段・社殿と描かれているが、この正面参道よりも、エスカレーターで上がるのがお約束の光景だ。

 
祭神大山咋神など 創建鎌倉時代? 例大祭6月15日 旧社格 官幣大社
住所 千代田区永田町2丁目10番5号 公式HP http://www.hiejinja.net/index.html


品川神社

品川神社は、品川宿の鎮守として重きをなした神社である。
JR品川駅付近にはなく、京浜急行新馬場駅が最寄り駅である。
由緒によれば、源頼朝によって創建されたという神社で、太田道灌の名前もちらっと見える。
普段は、とても静かな場所で、神社には珍しく境内の裏手に板垣退助の墓所がある。
絵馬には、風景として富士山が描かれているが、ここには、実際に登れるミニ富士山(富士塚)がある。

 
祭神天比理乃咩命など 創建文治3年(1187年) 例大祭6月7日に近い日曜 旧社格 郷社
住所 品川区北品川3-7-15 公式HP 特になさそう。


富岡八幡宮(深川八幡)

富岡八幡宮は、現在もちょとだけ門前町の風情が残る門前仲町にある。
八幡神社は、関東にとても多い神社であるが、源氏の系統を標榜していた徳川政権下で庇護を受けたという。
また、江戸勧進相撲発祥の地として相撲とのゆかりが深く、境内にはインパクトの有る碑が建っている。
しかし、ここでは、なんといっても「深川祭」での神輿に大量の水を浴びせかける光景が有名である。
絵馬には、社殿の正面が描かれている。やはり、この建物が特徴的かも知れない。

 
祭神応神天皇など 創建寛永4年(1627年) 例大祭8月15日 旧社格 府社
住所 江東区富岡 1-20-3 公式HP http://www.tomiokahachimangu.or.jp/


氷川神社(赤坂氷川神社)

赤坂氷川神社は、駅で言うと赤坂とか六本木と言ったところが最寄りになる。
氷川神社も関東に非常に多い神社であるが、この氷川神社は、江戸における氷川神社の筆頭格という扱いであったらしい。
同じ赤坂付近でも、都心の真ん中に建つ日枝神社とは対照的に境内は薄暗く物静かな印象を受ける。
現在、江戸時代のような人形山車を繰り出す祭りが復興されいるという。
絵馬には、享保年間から存続していると言う赤い社殿がトレードマークとして描かれている。

 
祭神素盞鳴尊・大己貴命・奇稲田姫命 創建天暦5年(951年) 例大祭9月15日 旧社格 府社
住所 港区赤坂6-10-12 公式HP http://www.akasakahikawa.or.jp/index.html